活動

 浅見絅斎述・若林強斎録『中庸師説』輪読第二回

今回も引き続き、『中庸師説』の輪読を行った。今回は『中庸』第一節の解釈部分が主なものであり、その部分の輪読が行われた。ペースとしては、参加者の都合を勘案しなければならないが、隔週か、三週間ほど空けて行うのが妥当ではないか、ということになっ…

 浅見絅斎述・若林強斎録『中庸師説』(小浜市立図書館所蔵本)輪読第一回

今回は未刊行の史料を読むという趣旨で、参加者の構成などを考慮し、浅見絅斎述・若林強斎録『中庸師説』(小浜市立図書館所蔵本。1693年頃成立)の序文の部分を、三人の担当者がそれぞれ書き起こしたレジュメを読み合わせる形で、輪読を行った。初めての作…

竜温「総斥排仏弁」最終回輪読討論要旨

今回は、竜温のテクストの最終回輪読を、二人の報告者により、行われた。質疑は、竜温が吉見幸和への批判に言及した箇所。また、尊皇攘夷運動に対する疑義を示した箇所を中心になされた。近世期の東本願寺教団における教学的立場が垣間見える箇所であり、活…

 竜温「総斥排仏弁」第19回史料精読討論要旨

今回の報告は、竜温における平田国学をめぐる評価に関する箇所であった。質疑では、まず訳文を検討したうえで、竜温のように平田国学とキリスト教を同一視するような見方は、当時の知識人の中でも共有されたものであったのか、という質問が出された。また、…

 竜温「総斥排仏弁」第18回史料精読討論要旨

今回は、前回に引き続き、正司考祺への反駁が展開されていた箇所を読んだ。質疑ではまず訳文の検討が行われた。また、近世仏教史研究において、江戸時代中期の仏教界をめぐる研究動向は、未だに空白な部分が多いのではないか。また、近世日蓮宗の問題につい…

 竜温「総斥排仏弁」第16・17回史料精読討論要旨

今回の輪読箇所は、正司考祺における仏教護法思想側からの批判を展開した箇所であった。質疑では訳文の検討がなされ、その上で、幕末における東本願寺教団の政治的位置について、質問が行われた。また、今回の輪読箇所を読む限りでは、浄土真宗側が、なぜ日…

 竜温「総斥排仏弁」第15回精読討論要旨

今回の箇所は、正司考祺の「経済問答秘録」の浄土真宗批判を引用しながら、竜温が論駁を加える内容だった。討論では、近世期における東西本願寺の分裂の経緯や、幕末期における東本願寺教団の政治的立場、報告者が先行研究を踏まえた考察などに関して、活発…

 竜温「総斥排仏弁」第14回精読討論要旨

今回の報告は、前回の精読に引き続き、儒者の聖徳太子批判に対しての竜温への応答の箇所であった。討論では、まず訳文における誤訳の指摘がなされた。また、考察部分を含めた討論では、如意林一風の出自に関する問題や、「テクストの歴史性」という問題も討…

 竜温「総斥排仏弁」第13回精読

今回の報告は、担当箇所の訳文を示した上で、儒者による聖徳太子批判を検討したものだった。質疑では主に聖徳太子が近世仏教界にて占める位置や、竜温の別の史料で示された、古代日本において聖徳太子が単に仏教を広めた人物と言うよりも、「文明の化」を体…

 竜温「総斥排仏弁」第12回史料精読討論要旨

今回の輪読箇所は、正司考祺の『経済問答秘録』批判がなされていたが、それと関連して、近世前期の排仏論でも経世論の文脈から仏教批判がなされているが、近世後期における経世論に対する仏教界側の危機感として、諸藩による宗教政策として、浄土真宗の弾圧…

 竜温「総斥排仏弁」第11回精読

今回は、訳文を検討したうえで、担当箇所でも平田国学の「行動主義」的な側面について言及されていたので、若干の考察をくわえたものだった。また、質疑応答では、主に訳文について質問がなされ、「神国」という表現の妥当性についても討議がなされた。

 竜温「総斥排仏弁」第十回史料精読討論要旨

参加者は三名。今回の箇所は、キリスト教批判と西洋の天文学について批判した箇所であった。まず訳文の検討を行い、精読範囲で言及されている森尚謙や円通について質問がなされた。また、キリスト教関係の書物流通は、表向きは「禁書」だが、様々なルートか…

 竜温「総斥排仏弁」第八回史料精読討論要旨

今回の報告では、主に訳文についての解釈について、討論がなされた。また、仏教用語に対する解釈も背景となる基礎的な知識についての必要性も再確認した。討論では、竜温のテクストで、あまり親鸞の教義がさほど重要視されてないのはなぜか。さらには、「上…

 竜温「総斥排仏弁」史料精読第七回討論要旨

参加者は四名。報告では、訳文を示したうえで、東本願寺における子弟育成機関であった、高倉学寮について、考察を行った。質疑では、テクストの表現として出てくる「神国」や「国王」などの解釈の妥当性について質問がなされた。報告者は、「意訳」をしない…

 竜温「総斥排仏弁」第六回史料精読討論要旨

参加者は四名。今回の報告は、まず訳文を検討したうえで、竜温における歴史認識について焦点をあてて、考察した。討論においては、「安心」をめぐる解釈の検討がなされ、注釈において「宗教的な心の落ち着き」という解釈では、文脈が通らないので、「思想的…

 竜温「総斥排仏弁」史料精読第五回

参加者は四名。まず、報告者による訳文についての検討が行われた。訳文で解釈が難しい箇所についての訳や、「名賢」という訳語を天皇に限定することの是非などがまず討論された。さらには近世の神道家たちの古事記の位置づけが、いかなるものだったのか、と…

 竜温「総斥排仏弁」第四回史料精読(討論要旨)

今回の報告は、まず訳文を示したうえで、富永仲基の「加上」の説とフーコーとの対比について、考察したものだった。質疑では、訳文に関する質問が行われた。また当時の仏教者が、富永仲基の評価をめぐる背景についても質疑がなされた。また、テクストに出て…

 竜温「総斥排仏弁」史料精読第三回(討論要旨)

今回の参加者は三名。報告では史料の訳文および輪読箇所の論点を提示したうえで、史料に即しながら考察を試みた。考察では林羅山の排仏論と聖徳太子批判について、検討したうえで、江戸前期の儒仏論争と、幕末期の護仏思想には、議論の構造として差異が認め…

 次回読書会の日時

次回読書会の予定です。日が近づいてきましたので、改めてご連絡致します。 日時:3月14日(水) 14:00〜場所:立命館大学学而館4階ラウンジ(仮)報告:竜温「総斥排仏弁」p110「先初ニ、儒者ノ仏ヲ排スルコトハ」〜p112「貝原モ排仏家ナリ」まで報告者:岩…

 次回の日程です

次回読書会の予定です。 日時:3月14日(水) 14:00〜場所:立命館大学学而館4階ラウンジ報告:竜温「総斥排仏弁」p110「先初ニ、儒者ノ仏ヲ排スルコトハ」〜p112「貝原モ排仏家ナリ」まで報告者:岩根 です。よろしくお願いします。

 【史料精読】竜温「総斥排仏弁」第二回(討論要旨)

今回の報告での質疑では、まず、訳文に関する用語や書名に関する事実関係の確認が行われた。本テクストで言及されている「儒者」とは誰のことを指しているのか。また、本テクストの性格を示す「護法=護国」思想を、従来の研究史で指摘されるように、そのま…

 次回読書会の日時です

日時が近づきましたので、改めてご連絡します。 日時:2月16日(木) 14:00〜 場所:立命館大学啓明館日本史共同研究室(仮) 報告:【史料精読】竜温p108「二、別挙近世排仏トハ」〜p110「排仏家ヲ挙テ論ズル」まで 報告者:松川 場所は、諸事情で変わるか…

 次回の日程です。

日時:2月16日(木) 14:00〜 場所:立命館大学啓明館日本史共同研究室(仮) 報告:【史料精読】竜温p108「二、別挙近世排仏トハ」〜p110「排仏家ヲ挙テ論ズル」まで 報告者:松川 おねがいします。

 竜温「総斥廃仏弁」史料精読第一回

参加者は四名。報告では、現代語訳を付したうえで、先行研究の概略を述べた。また精読テクストに関する課題もあわせて提示した。質疑では、現代語訳に関しての解釈についての妥当性が指摘された。「唯浄土門、殊真宗ニ在リ。然ルニソノ信ズルモノハ多クミナ…

 写経しています。

今日は、師走なんてすぐに過ぎるので、輪読史料の写経をしていました。「写経」とは、要するに現代語訳の作業なのですが、結構気に入っているので、「自分の辞書」の言葉として使っています。今日の写経作業をして、難しいと思ったのは、「どこに句点を入れ…

 輪読担当箇所の割り振り作業をしています

いま、輪読担当箇所の割り振り作業をしています。史料輪読に関しては、今回のテクストはやや長いので、一回の読書会で精読できる範囲をどこまで読むか悩んでいます。詳細が決まりましたら、改めて連絡いたします。

 日程を調整しています

皆さん多忙なので、いま日程を調整しているところです。しばらくお待ちください。

 今後の予定

今月の読書会は、お休みします。来月にまた再開したいと思います。精読史料ですが、いまのところ近世仏教思想のものをやりたいと思っています。

 書評検討会討論要旨

今回の読書会は各自の課題図書の書評報告を行った。岩根報告では宮本誉士『御歌所と国学者』(弘文堂、2010年)。田中報告では吉田俊純『寛政期水戸学の研究―翠軒から幽谷へ』(吉川弘文館、2011年)。松川報告では、『徂徠学と朝鮮儒学―春台から丁若?まで』…

 次回読書会のお知らせ

日時が近づいてきましたので、読書会のお知らせを致します。 日時 10月29日(土) 14:00〜場所 立命館大学学而館4階ラウンジ(仮)報告者 岩根・松川・田中【書評報告】李基原『徂徠学と朝鮮儒学』ぺりかん社、2011年。(松川)吉田俊純『寛政期水戸学の研究…